界面活性と重合性に優れた
スルホン酸系モノマー

SPINOMAR® NaSS(スピノマー® NaSS)は、優れた界面活性と重合性を兼ね備えたスルホン酸系ビニルモノマーです。
アクリル及びスチレン系モノマーとの共重合により、各種ポリマーへカチオン染色性、熱的・化学的安定性、分散性、帯電防止性などを付与できるため、幅広い用途に使用されています。

スピノマーⓇ NaSS

主な用途

  • アクリル繊維の染色助剤:酸性度が高いスルホ基の導入によりカチオン染料に対する染色性が向上します。
  • アクリルエマルション:少量の共重合で優れたコロイド安定性が発現し、従来型乳化剤の使用量を低減できるため、耐水性に優れた水性塗料、水性接着剤、エマルションサイズ、或いは機能性微粒子などの製造に使用されます。
  • 水処理剤:共重合により熱的・化学的安定性、芳香環に起因する分散能を付与できるため、アクリル酸系スケール防止剤の改質に使用されます。
  • その他:洗浄剤、分散剤、帯電防止剤

特徴

NaSSは、分子内にスルホ基と芳香環を有し、他のスルホン酸系モノマーと比べて、高い界面活性(図1)、重合性及び耐熱性を有する他、優れた保存安定性、低毒性(LD50 16g/kg以上)などの特徴を有しています。
NaSSは(メタ)アクリレートやスチレンとのラジカル共重合性が優れるため、乳化重合や溶液重合によって上記用途へ利用できます。
「WO2014061357 純度と色相の向上」
  関連特許 : JP5946094B、JP5930307B、US9,505,713B2、TWI579261B、CN1047365216B、MY-186412-A

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乳化重合例とNaSS導入効果

NaSSは乳化重合において、共有結合を介してポリマー粒子表面へ導入され、スルホ基同士の反発により、優れたコロイド安定性を得ることが出来ます。
また、NaSSはコンパクトな構造のため、一般的な反応性乳化剤と比較して接着性への悪影響が少ないモノマーです。

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基本情報

化学名 p-スチレンスルホン酸ナトリウム
(Sodium p-Styrenesulfonate)
構造式 スピノマーNASS
分子量 206.2 CAS番号 2695-37-6
化審法 3-1903 TSCA 登録
EC番号 登録

一般的性質

外観 白色~微黄色固体(粉末) 沸点 データなし
融点 データなし 引火点 難燃性
比重・密度 約 0.5(見掛け比重)

取扱いの注意

  • 皮膚,手,目に直接触れないように保護具を使用してください。万一、皮膚や手に触れた場合には、多量の水で洗い流してください。
    目に入った場合は、十分洗眼し、医者の指示に従ってください。
  • 毒性 経口(マウス):LD50 16 g/㎏以上
  • 保存の際は、酸化や重合を防ぐため、乾燥しないように密閉して、冷暗所で保存してください。

荷姿

25kg 入り(有姿)紙袋 (ポリエチレン内袋)

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